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 『霧社の花嫁──戦後も台湾に留まって
杉本朋美著

■さようなら日本──「霧社」と結婚した私は、もう日本に帰れない■

ISBN4-88323-150-X C1023 Y2200E 体裁:46判 244ページ 並製 定価 本体2,200円+税

◎日本植民地下の台湾に嫁ぎ戦後も夫の故郷に留まったある日本人女性の物語。祖国を無くした家族を守ってくれたのは台湾先住民の里マレッパだった。
日本には帰れない、ここが私たちの故郷、私は「霧社」に嫁いだにだから。

■本書の内容■
第一章 霧社との出会い
再会/幼少時代/霧社事件/娘時代/治平とピッコタウレ/縁談/新婚生活/子供の誕生/敗戦/決断
第二章 マレッパの里
マレッパへ/マシトバオンでの別れ/義母の死/山の生活?〒/新しい為政者?◆慎国通知/山の学校/ピッタン/卵のごちそう/生きる
第三章 戦後の霧社
山を降りる/再出発/救済品/進学/父の釣り竿/失職/ヒマ/瞭望台/かかし/帰化
第四章 異国人家族
誘い/アコッペのおじさん/郵便局?◆燭正月/隣人/遠視/兄弟喧嘩/秘密/互いを見つめる
第五章 春秋長ずころ
多忙/マイホーム/「ママ」/彼女の存在/「安全」/洗礼/断交/道しるべ/訪問者/東京の秋空/故郷の廃家
付 章
フミヱ二〇〇一年の夏/霧社への旅/あとがきにかえて

■本書「あとがきにかえて」より■
「霧社の花嫁となり、戦後も台湾社会のなかで生きた」人生のひとつひとつを紐解いていけば、ドラマチックなストーリーが隠れているとの考えが、まだわたしのなかでくすぶってはいるが、同時に、それは過剰な推し当てに過ぎず、現実は「なんとなく霧社が恋しくなって霧社に嫁ぎ、戦後もなんとなく帰国する機会を失ってしまった」だけとの見方も捨ててはいけないのだと思う。人生は積極的行為の連続ばかりで成り立ってはおらず、特にそう願ったわけでもないのに流され流されして「今」にいたることが往々にしてあるのだから。どんな特異な生き方に、まわりからは見られようと。そして、それこそが、かつてフミヱさんの口にした「運命」なのかもしれない。

■著者略歴■1968年生まれ。OL生活を経たのち、浮き雲人生に突入。越南、琉球、台湾を独り歩く。著書『ハノイさんぽの時間』(凱風社)

◆霧社事件とは
1930年10月27日に台湾霧社で起こった台湾原住民による最大の抗日蜂起事件。それは台湾植民史のなかで強烈な衝撃を日本に与えた。事件はタイヤル族のリーダーのモーナ・ルーダオを中心とした6「蕃社」1200人ほどによる霧社公学校運動会への襲撃(10月27日)であった。日本人のみが狙われ約140人が殺害された。これに対し、日本側は2,000余名の軍隊と武装警官を動員、飛行機、山砲、機関銃、催涙ガスを使ってこれを追撃包囲し、 11月には鎮定した。頭目のモーナ・ルーダオは山中でひそかに自決。現地の警察にはタイヤル族出身の警察官「日本名、花岡一郎.二郎」が2名いたが、彼らは襲撃には参加せずそれぞれ自決した。

   

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