■現代台湾史の叙事詩 映画《悲情城市》の原作■
ISBN4-88323-165-8 C1098 Y2800E 体裁:46 判 282ページ 定価本体2,800円+税
◎台湾映画史に燦然と輝く最高傑作「悲情城市」の原作〔1989年ベネチア映画祭グランプリ受賞映画(侯孝賢監督)〕。戦後台湾社会の闇を発掘し続ける著者の代表作。本書は台湾知識人の悲劇――台湾を襲った白色テロを克明に追及した迫真のドキュメント。
■本書の内容■
〈序文〉
日本版に寄せて 藍博洲
記録されたものはすべて存在する 侯孝賢
詩の真実と歴史の真実 陳映真
幌馬車の歌〈本文〉
序曲 足枷の音を伴奏に大合唱
第一楽章 故 郷
お宅のご子息は非凡な才能をお持ちです/民族差別の植民教育/祖国への素朴な想い/白線入りの学生帽をかぶった青年/少女看護婦と青年患者/鍾九河の愛と死/僕は結婚しない!
第二楽章 原郷人の血
上海にて/香港九龍から恵陽へ/サツマイモの悲哀/恵陽から桂林へ護送される/里子に出す
第三楽章 戦 歌
羅浮山山区にて/夜間婦人学級/旅籠で出産/在留台湾同胞に反旗を翻させる/原郷を訪ねる
第四楽章 帰 郷
帰郷/あんな質素な校長はいない/四方に人才を求める/民主的キャンパス
第五楽章 二二八前後
連絡がつく/隊員たちは何処へ?/台湾民主同盟設立準備/「二二八」/事件のあと
第六楽章 白と赤
地下組織/光明報
第七楽章 あらし
学生運動の波しぶき再現/事態は極めて深刻となる/芋づる式/自分にわずかでも人間らしい心が残ることを恐れ....../校長先生の奥さん、我々は人民解放軍だ....../軍警察校舎を包囲/逃亡と連座/惜別の歌/話すことは何もない/歴史の軌道が変わった
第八楽章 銃殺の後
訣別/佛の遺骨 エピローグ 和鳴! 君や何処?
〈付編〉
「幌馬車の唄」は誰のものか 藍博洲
これから歩む道 鍾紀東
歴史にタブーを、人々に悲情を、再びもたらさぬために 鍾紀東
〈跋文〉
未完の悲哀 _宏志
改めて「幌馬車の歌」を読む視角を探る 須文蔚
後記 藍博洲
〈解説〉すべては終り、すべては始まったのだ 横地剛
出典一覧
大事年表
■藍博洲「日本版に寄せて」より■
〈幌馬車の歌〉が広く日本のみなさんにお目見えすることになり、大変喜んでいます。これは植民地台湾に生まれた若者たちの愛の物語です。そして彼らが植民主義に反対し祖国を探す物語でもあります。侯孝賢監督の映画《悲情城市》《好男好女》により、この物語はすでにスクリーンを通して日本のみなさんに届けられています。この物語を読んでいただければ、台湾と中国の近現代史をより身近に理解していただけると思います。
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