■台湾山地人の抗日蜂起■ 解説・許介麟
四六判 縦組 232ページ 1985年刊
ISBN4-88323-051-1 C0022 定価 本体1800円+税
■1930年台湾霧社で起きた山地人セーダッカ族による抗日蜂起が参加者の証言により初めて明らかにされた。本書は語りつがれた貴重な声であり、セーダッカの一大叙事詩である。
■1930(昭和5)年10月27日未明、台湾のほぼ中央部山間にある霧社(現・南投郡仁愛郷)で起きた山地人セーダッカ族による抗日蜂起をさす。セータツカ族をはじめ当時約14万人いた台湾原住民である山地人は、大陸から渡ってきた漢族や日本植民統治の圧迫を逃れて山地で主として狩猟を生業としていた。この日、日本の圧政に抗してセーダッカ6部落300人が蜂起し、合同運動会を準備していた霧社と周辺の駐在所、日本人宿舎、民家を焼き払い、日本人134人を殺した。ただちに日本は軍隊を出動し、徹底的に“討伐”した。それは日本側では「植民地史上中外にたいする−大汚辱」とみられたが、山地人からみれば「抵抗史上記念すべき金字塔」になる。それに続く第二次霧社事件は、「以夷攻夷」ごとく日本に味方した山地人による報復で蜂起山地人のほとんどが殺された陰謀事件であった。その後、わずかの生き残りを「川中島」(現・清流)へ移し、「大東亜戦争」では“高砂義勇隊”となって青年たちは太平洋に散った。
参考:草風館刊「証言台湾高砂義勇隊」林えいだい編著
「故国はるか ―台湾霧社に残された日本人」下山操子著
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