書籍のご案内(20000425現在)
 『東と西の考古学』坪井清足著

■このところ毎年イタリアに出掛け、エトルスクやそれ以前の先史時代の遺跡遺物が、その時代の文明の中心ギリシャとの交流によって地域における独自の文化を形成した様子が、東アジアの文明の中心中国の影響を受けた日本と様々な類似点のあることに興味をもつようになった。本書の論考は年とともに遺跡発掘現場から離れ、各地の発掘調査やその後の整備の委員しかやらせてもらえない老人の繰言である。本書は、日本の考古学と西洋や中国の考古学の現状を比較した試論を中心に、史跡行政の歴史や、特に現今進行中の地方分権問題により今以上に全国埋蔵文化財行政に地域格差が生じる恐れのあることを危惧した老婆心から書いたものや、新聞コラム、対談のほか、身近な人々について書いたものである。(あとがきより)

本書の内容
 々邑迭悗凌兄代
記念物保護行政によせて/考古学の新時代/歴史学と遺跡学/史跡指定の歩み/発掘された古代史と文化財保護五〇年
◆‥貔照羈咾旅邑迭
瓦の起源の東西比較/中国建築余話/ヨーロッパの先史城塞/法門寺と慶山寺の舎利瞥見/築地塀の由来/一本造り軒丸瓦 について/法隆寺の考古遺物/百済観音堂の瓦等について/石山貝塚から粟津貝塚まで/1950年代の土器研究と古墳研究の状況/考古学と模型/文化財と測量/文化財写真に思うこと
 標 的
幼児一時預け所/琉球民族の起源/広報誌と文化財/「主食」ということば/赤トンボということば/もうけの論語/出かせぎの次に/抜け穴/経済主義反省の場所/朝鮮語辞典/平均年齢/平城京の復元/プロ意識/環境汚染測定法/アイヌの文様/柔らかい行政/景観保全と市民/退職公務員/食形態と栄養/医師の倫理/ディスカバー・ジャパン/ラビリンス/第三セクター/日本語英語/水は大丈夫か
ぁ‥豕考古学会のサムライたち
2000年新春対談/ 東京考古学会のサムライたち/小林行雄先生を悼む/関西時代の藤森栄一/写真・モジャハン・考古学/文化記者青ちゃん/父 坪井良平

略歴 1921年11月26日、大阪に生まれる。父良平は梵鐘研究家。34年4月、大倉商業学校に入学。このころ父や小林行雄、藤森栄一について各地の遺跡を回る。41年4月、京都大学に入学。夏に朝鮮を旅行。43年12月、召集。44年9月、台湾に上陸。終戦直前、鳳鼻頭遺跡陣地トレンチ等ょり遺物採集調査。46年3月、復員。大学に復学して滋賀里遺跡等の発掘に参加。49年4月、京都大学大学院に在籍。50年4月、平安中学・高校に就職(〜51年8月)。55年1月、奈良国立文化財研究所に入所。67年1月、文化財保護委員会記念物課文化財調査官を併任。同年9月、外国の歴史博物館調査のため欧州11カ国を視察(〜11月)。75年4月、文化庁文化財保護部文化財鑑査宮。77年4月、奈良国立文化財研究所長。86年3月、奈良国立文化財研究所長を退官。86年4月、財団法人大阪文化財センター(95年4月から財団法人大阪府文化財調査研究センター)理事長(〜2000年4月)。2000年4月、財団法人元興寺文化財研究所副理事長。
1983年度第35回NHK放送文化賞を受賞。90年度大阪文化賞を受賞。91年度朝日賞を受賞。同年4月、勲三等旭日中綬章を受賞。99年11月、文化功労者。

                      参考図書:草風館刊
                      坪井清足『古代追跡』
 

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